ごあいさつ

 

海洋資源・産業ラウンドテーブル会長

佃 和夫

 

近年、金属鉱物資源やエネルギー資源を巡る情勢は大きく変貌を遂げています。新興国をはじめとする世界の資源需要は増加し、資源価格の未曾有の高騰をもたらし、また、資源開発への外資の参入制限や資源の輸出制限といった動きにも象徴されるように資源保有国における資源ナショナリズムは高まり、資源消費国による資源獲得競争は激化の一途をたどっています。

 他方、我が国には世界第6位の面積を有する排他的経済水域(EEZ)にメタンハイドレート、熱水鉱床、コバルトリッチクラストをはじめとする豊富な資源が存在することが明らかとなってまいりました。しかしながら、これら新たな海洋資源の開発には、探査・採鉱・揚鉱・輸送・製錬といった一連のシステムを構成する技術開発が必要であるとともに、環境保全・資源経済・産業振興・関連法制・国際動向などの幅広い視点からの知見にもとづく多角的な検討を行うことが重要であります。

 既に本年3月には、政府の海洋エネルギー・鉱物資源開発計画が策定され、政府としての取り組みは始まっていますが、今後、海洋資源開発の早期の商業化に向けて、上記のあらゆる分野や視点について産学官の幅広い連携を図りつつ、取り組みを強化していくことが肝要であります。

そうした観点に立ち、海洋資源開発の一層の促進、海洋産業振興の更なる強化を期して、ここに我が国海洋資源開発・海洋産業関係者の多方面からの参加を得て、「海洋資源・産業ラウンドテーブル」を設立いたしました。

本ラウンドテーブルの活動が今後の海洋資源の活用のさきがけとなるべく、努力してまいる所存であります。皆様におかれましては、格別のご協力を賜れれば幸いです。